2026年NISA大改正まとめ:こどもNISA・非課税枠の年内復活・対象商品拡充の全容
撮影: Markus Kammermann / Unsplash
「新NISAの制度がまた変わるらしいけど、何がどう変わるの?」 「こどもNISAって聞いたけど、ジュニアNISAとは違うの?」
2026年度の税制改正で、NISAは大きく3つのポイントで変わります。
しかしSNSでは「NISAでスイッチングが可能になった」など、誤解が広まっているのも事実です。
この記事では、正確な改正内容と注意点を、できるだけわかりやすく解説します。
改正ポイント1:こどもNISA(0歳から投資可能に)
2026年度税制改正の目玉が、**こどもNISA(こども支援NISA)**の新設です。
2023年末に廃止されたジュニアNISAに代わる制度で、2027年1月からの開始がほぼ確実とされています。
主なポイントは以下のとおりです。
- 対象年齢:0歳〜17歳
- 年間投資上限額:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 投資対象商品:つみたて投資枠と同じ(インデックス投資信託等)
- 払い出し:12歳未満は原則引き出し不可。12歳以降は子どもの同意で引き出し可能
- 18歳到達後:成人向け新NISA口座に自動移行
かつてのジュニアNISAが不人気だった最大の理由は、「18歳まで払い出し不可」という厳しい制限でした。 こどもNISAでは12歳以降の引き出しが可能になり、中学受験や高校入学といった教育費にも活用できます。
シミュレーション:毎月1万円を18年間積立した場合
- 元本:216万円
- 年利5%で運用:約349万円
- 運用益133万円がすべて非課税
家族4人(親2人+子2人)なら、年間最大840万円の非課税投資が可能になります。
改正ポイント2:非課税保有限度額の「当年中復活」
こどもNISAの概要がわかったところで、2つ目の改正点を見てみましょう。
現行制度では、NISA口座の商品を売却しても、非課税枠が復活するのは翌年の1月1日でした。
2026年度改正では、この復活タイミングが**「当年中」**に早まります。
これにより、ライフイベントで資金が必要になった際も、売却後すぐに再投資できるようになります。
ただし、ここで非常に重要な注意点があります。
年間投資枠360万円の上限は変わりません。
つまり、すでに年間360万円分を投資した年は、たとえ商品を売却しても、その年にはもう新たな買い付けはできません。
具体的に言うと、この改正の恩恵を受けるのは非課税保有限度額1,800万円に達した人です。 年間360万円をフル活用しても5年かかるため、新NISAを始めたばかりの人には2029年以降の話です。
「スイッチングが可能になった」は誤解
撮影: Volodymyr Hryshchenko / Unsplash
非課税枠の年内復活の説明を聞いて、「つまりスイッチングできるようになるの?」と思った方も多いかもしれません。
結論から言うと、iDeCoのような真のスイッチングとは別物です。
iDeCoのスイッチングは、保有商品を売却して別の商品に入れ替えても、非課税枠や年間投資枠に影響がありません。
一方、NISAの「当年中復活」には以下の制約があります。
- 復活するのは**買付価格(簿価)**の部分のみ
- 運用で増えた利益部分は枠に戻らない
- 年間投資枠360万円の上限は変わらない
例えば、100万円で買った商品が150万円に値上がりして売却した場合、復活する非課税枠は100万円だけです。 50万円分の利益は非課税で受け取れますが、枠としては戻りません。
FPI-J 生活経済研究所長野のコラムでも、この誤解について詳しく解説されています。
改正ポイント3:対象商品の拡充
3つ目の改正は、つみたて投資枠で購入できる商品の拡充です。
変更前:「主に株式に投資するもの」のみ 変更後:「主に株式または公社債に投資するもの」
これにより、債券中心の投資信託もつみたて枠で購入可能になります。 リスクを抑えたい方や、分散投資を重視する方には嬉しい変更です。
さらに2027年1月からは、以下の新しい指数に連動する投資信託もつみたて枠で購入可能になります。
- 読売株価指数
- JPXプライム150
選択肢が広がることで、自分のリスク許容度に合った商品を選びやすくなります。
今すぐやるべきこと3つ
ここまで改正の全体像を見てきましたが、今すぐできるアクションを整理しましょう。
1. まずは現行NISAを始める(まだの人)
こどもNISAは2027年1月開始予定です。 それまでの間は、親名義のNISA口座で運用を始めるのが最善です。 複利効果は早く始めるほど大きくなります。
楽天証券・SBI証券・マネックス証券などのネット証券なら、スマホから最短10分で口座開設申込ができます。
2. 家族全体の非課税戦略を考える
こどもNISAが始まったら、家族全体の非課税枠を最大活用する計画を立てましょう。
- 親2人:年間360万円 × 2 = 720万円
- 子2人:年間60万円 × 2 = 120万円
- 合計:年間840万円が非課税
3. 教育資金一括贈与の特例に注意
教育資金の一括贈与の非課税特例(最大1,500万円)は2026年3月末で終了予定です。 こどもNISAが始まる前にこの特例を活用するかどうか、税理士やFPに相談しておくのがおすすめです。
まとめ
本記事のポイントを整理します。
- こどもNISA:0歳から年60万円・上限600万円の非課税投資。2027年1月開始予定
- 非課税枠の年内復活:売却後の非課税枠復活が翌年→当年中に。ただし年間360万円の上限は不変
- 「スイッチング」は誤解:iDeCoとは異なり、年間投資枠・簿価ベースの制約あり
- 対象商品の拡充:債券型投信もつみたて枠で購入可能に
- 今すぐ始めるのが最善。こどもNISA開始前は親名義NISAで運用開始
制度は複雑ですが、本質は「長期・積立・分散」の投資の王道です。 制度変更に振り回されず、自分のペースでコツコツ続けることが、資産形成の一番の近道です。
参考資料:
#NISA #こどもNISA #資産形成 #投資 #税制改正 #新NISA #非課税投資 #家計管理